ジムカーナドライビングテクニック



TEXT BY TATSUSHI FURUTA
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[慣熟歩行] [イメージトレーニング] [スタート] [ブレーキング] [荷重移動]
 
[ライン取り] [定常円旋回] [低速コーナー] [高速コーナー] 
[180度ターン] [270度ターン] [360度ターン] [スラローム]



    [慣熟歩行]
    §意外とその重要性を忘れがちな慣熟歩行
    慣熟歩行は、ドライビング以外で勝つために最も必要なことである。ジムカーナは、サーキットと違って初めてのコースを走る競技で、たとえ会場が同じであっても、同じコースは2度とない。つまり、コースに慣れた人の勝ちというのはないに等しい。ポイントは、与えられたコースにいかに対応するかにある。注目すべきポイントは、コースのブレーキングポイント、立ち上がりのラインなどで、これらはすべて慣熟歩行で身につけられることである。
    自分のマシンがコーナーから立ち上がったときの姿勢をイメージすることが重要で、アウトかインか、車の姿勢はどう変化すればいいかを、第三者的視点で見ることが重要である。つまり、コーナリングのイメージを掴むことが大切なのだ。


    [イメージトレーニング]
    §イメージによるテクニック向上
    慣熟歩行の次に大切なのがイメージトレーニングである。それは、走行で得たコース状況や情報を頭のなかでイメージすることで、コースをしっかりと思い出すのに有効な手段である。 スタートから思い浮かべながら、ステアリング、シフト、ペダル類、サイドブレーキと一連の操作を走っている時と同じことをやる。1分で走り切るコースなら20秒くらいで行うと良い。
    [スタート]
    §半クラッチがポイントのスタート方法 車を前に進めるためには、タイヤをグリップさせなくてはならない。しかし、グリップさせすぎてエンジン回転が落ちてしまうと、エンジンが高回転域へ到達するまでのタイムラグがある。
    ホイールスピンは、させすぎると駄目だし、しなくてもよくない。20%のホイールスピンがベストである。つまり、20%以上のホイールスピンはロスに直結するのである。
    3000〜4000rpmでつないで、タイヤが1〜2周したら、半クラッチを使って5000〜6000rpmに回転を上げ、ホイールスピンさせてスタートする。タイヤがグリップするかしないかの状態のとき、半クラッチだけでエンジン回転を高めて徐々にグリップさせてやると上手なスタートができる。
    [ブレーキング]
    §ブレーキングはコーナー進入の最高速度まで落とす
    通常ブレーキングとは、車を止めると思いがちである。確かに信号やジムカーナのゴール後などは止めることになるが、他の場合のブレーキングはこれと異なる。コーナリングのためのブレーキングとは、完全に止まるためのものではない。コーナーの最大進入速度までいかに速度を落とすかということが目的である。また、もう一つの目的はコーナーに入るときの車の姿勢づくりで、これも重要になる。意識としては、制止させるというより、ジムカーナのブレーキングはコーナリングのために仕方なくやっているものと考える。
    最初は強い踏力のブレーキングでも、曲がるためには抜いたブレーキングに変化する。まず、しっかりと制動させて、ブレーキをゆっくりと抜いていく。これがポイントとなる。この場合、荷重のかかっているタイヤのロックは禁物である。
    [荷重移動]
    §荷重移動はブレーキングだけには限らない
    よく言われる荷重移動の一般論は、ブレーキング時に車にかかる荷重を前にかけてフロントタイヤのグリップを上げ、コーナリングをしやすくすることである。実際には、ブレーキングを伴わないコーナリングで、アウト側に思いっきり荷重がかかる場合がある。反対に、加速時はリヤに荷重が移る。車は常に前後左右に荷重が移って動いている訳であり、そこには微妙なズレが生じる。
    フルブレーキング時にはタイヤは100%が制動のために使われてしまい、曲がるための力は足りなくなってしまう。荷重移動はしているが、それがコーナリングのための姿勢変化につながっていない。荷重移動とは、ブレーキを踏まなくてもできるものである。100キロの速度からハンドルをパキ切りすれば、ほとんどの車のリヤは流れる。慣性プラス荷重移動でフロントのアウト側が沈みこんで、リヤが軽くなるからである。サイドブレーキを使わず、フットブレーキとステアリング操作だけで、ブレーキングドリフトの練習をすると効果的である。
    [ライン取り]
    §カートコースとパイロンコースのライン取りの違い
    コーナリングの基本はアウト・イン・アウトだが、ベストラインは、進入がちょっと行きすぎた感じでCPを奥にとって車の向きをしっかり変化させるほうがよい場合もある。
    カートコースの場合は基本的に早いラインは一つ。与えられた短い時間のなかでベストラインを見い出すことが勝敗を分けるポイントである。良いラインを取るためには、的確なくるまの操作と落ち着いた判断力、冷静さが求められる。
    パイロンコースの場合はベストラインの自由度が高い。極端に言えば、ラインはなくコース幅は無限大に等しい。よってベストラインは自分で見つけながら走ることができる。
    [定常円旋回] 
    §定常円旋回は奥が深い
    一番簡単に誰でもできるが、極めようと思えば並大抵ではできない。極めたらどのカテゴリーでも通用するテクニックである。
    そのスタートは、パイロンを1本立てて小さな円を周回することである。簡単なのはアクセルコントロールで、溜めを効かせて走るグリップ走行で、目印のパイロンの手前でアクセルを抜いて、フロントの外側に荷重をかけ、リヤのイン側が浮いてきたら再びアクセルを踏むのがポイント。次のステップは、サイドブレーキを使う。円のRが小さくなると、サイドブレーキが有効になってくる。いち早く向きが変えられて素早いアクセルオンができ、最小回転半径以内で、回ることができるのもメリットとなる。
    [低速コーナー] 
    §低速コーナーのブレーキの使い方はソフトに
    低速コーナーは、それほど上手でないドライバーでも、ステアリングをおもいっきり切って回ってしまえばごまかしの効く範疇である。その差はパイロンに近いかと、立ち上がりのトラクションのかけ方だけで、コーナリングスピード自体は、大体同じである。
    そのなかで速く走ろうとすると、プラスαの部分では前後のコースを考えたり、減速しすぎないことがポイントとなる。ブレーキの使い方は、あくまでもソフトにである。
    [高速コーナー] 
    §高速コーナーは舵角を少なくスピンに注意
    高速コーナーは度胸とテクニックをフルに使わなくてはならない。グリップに徹すると速度低下を招き、若干滑っているときにタイムが出る。
    タイヤが鳴かなかったらグリップ走行で、鳴きすぎたらオーバースピードであると判断し、軽く鳴いている程度の速度を維持するとよい。また高速コーナーになればなるほど姿勢変化は大きくなり、スピンの危険性も高くなる。進入時に滑るようにコーナーに入って、車の行きたい方向に行かせる。グリップすると横Gがたまってしまうので、ためないように逃がす。そして、車がスライドをはじめたらカウンターを当てて、慣性に素直な舵角を与える。
    [180度ターン] 
    §180度ターンはターンの基本
    180度ターンは、低速コーナーで車の向きを素早く変えたいときに有効な、ジムカーナの基本的なテクニックである。
    フットブレーキを踏みながらサイドを引いてリヤを流す。左手は常にサイドを引いてカウンターを当てた状態で、右手のステアリング操作でスライド量をコントロール。立ち上がりでは、サイドブレーキを放すのと同時にアクセルを全開にする。
    [270度ターン]
    §270度ターンは180度ターンよりサイドの時間を長く
    180度に対してステアリングを半周ぐらい多くきり、180度よりサイドを引いている時間も長い。サイドを引く位置も180度より少し奥目で、車がオーバーステア気味なら1回で済むが、アンダーステア気味なら2回引いた方がうまく回ることができる。
    [360度ターン] 
    §360度ターンはサイドを何度も引く大技
    LSD付きのFRなら大体誰でもできる。しかしFFではそうはいかない。FFでは270度まではすぐにできても、僅か90度の差なのにとても難しい。進入は270度と同じであるが、サイドを2〜3回に分けて引くのが大切である。サイドを引く強さは、連続技なので一概には言えないが、リヤを出したいときは強く短く引くのが効果的である。リヤの動きによって引き方を変えるのがポイントである。
    [スラローム]
    §日頃から練習しないとできないスラローム
    スラロームの基本であるロックtoロックの練習は、手のひらから血が出るほど練習しなくてはならない。つまり、スラロームは基本が大切だと言うことである。
    抜け方は、FFはグリップが基本でアクセルのオンオフはしないで抜ける手もあり、すぐに次のパイロンがくるのでこのほうが速い場合もある。しかし、基本的な抜け方はパイロンの横でアクセルをオンにして車の向きを変える走り方である。いづれにしても、毎日練習する事が大切である。

   参考文献
   ドリフト自在!ジムカーナ「ドライビングテクニック編」マインド出版
   ドリフト自在!ジムカーナ「マシンセッティング編」マインド出版



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